こんにちは。お仕事サポーターのきゃりみです。
「ジョハリの窓」という言葉を聞いたことがある人も多いかもしれません。
ジョハリの窓は企業内研修などにも多く用いられ、円滑な人間関係を構築するためのコミュニケーション法として紹介されていることが多いでしょう。
実は「ジョハリの窓」は、コミュニケーションだけではなく「自己成長」や「能力開花」にも効果があることはご存じでしたか?
ジョハリの窓
ジョハリの窓とは、ジョー・ルフトとハリー・インガムが提唱したもので、二人の頭文字を取って「ジョハリ」と名付けられました。
対人関係における気づきのモデルグラフとされており、コミュニケ-ションや自己成長の分野で活用されています。
- スムーズな人間関係の形成
- 気づきによる能力開発・自己成長
ジョハリの窓のモデルグラフです。
私たちは必ず「自分の4つの心の窓」と「相手の4つの心の窓」を通してコミュニケーションを取っています。
4つの窓の名前は「開放」「秘密」「盲点」「未知」といいます。
実は、相手や話の内容によって使う窓を使い分けているのですよ。
開放の窓とは?
自分自身も分かっていて相手や周りにも知らせている領域
自分のことだから分かっていることもたくさんありますよね。
例えば足のサイズ、身長などの身体的な部分、几帳面だ、真面目だ、猫が嫌いだといった性格、考え方や価値観、意見などなど。
自分で自分のことも分かっていて、さらに相手(他人・周囲)にも知らせていたり気づかれている部分を指します。
自分が几帳面な性格だとしましょう。
自分で几帳面であることに気づいていなかったらこの領域から外れますし、自分は気づいていても相手が知らない場合もこの領域から外れます。
自分も相手も知っている内容がこの領域になります。
秘密の窓とは?
自分自身はわかっているけど相手や周りには秘密にしている領域
自分自身で分かっていることを相手(他人・周囲)に知らせていなかったり、気づかれていない部分になります。
例えば、犬を飼っていることを話していない、にんじんが嫌いなことを話していない、実は臆病なことを周りには気づかれていない、など。
あえて内緒にしていることも「秘密の窓」に入りますが、たまたま機会がないから言ってないこと、タイミングが合わなくて言っていない場合の内容もこの領域に含まれます。
盲点の窓とは?
自分自身が気づいていないけれど相手や周りには知られている領域
自分で気づいてない部分を相手(他者・周囲)は気づいていることがありますね。
例えば、口癖や歩き方、仕事に集中しているときの表情や姿勢など、周りには気づかれていても自分で分かっていないことを指します。
未知の窓とは?
自分も相手も気づいてない領域
自分も他者にも知られていない部分ですからまだ表面に出てきていない部分です。
つまりは自分にとっての潜在意識(無意識)の領域になりますね。
潜在意識の中には、自分自身の「秘めた能力」「才能」「可能性」などの潜在能力が眠っています。
ジョハリの窓の理論に沿って他者と関わることでこの部分にも変化がありますが、それについてはこのあと説明しますね。
さて、開放・秘密・盲点・未知の4つの窓を使って他者とコミュニケーションを取っている私たちですが、どの窓で関わることが自分も相手も楽ちん!だと思われますか?
だって何でもかんでも開放しちゃうと自分のこと守れない気がするな。
でもジョハリの窓の理論では、開放の窓を広げていくことで人間関係がスムーズになるとされているのよ。
開放の窓を広げるとは?
例えば、猫アレルギーを持っていたとしましょう。
特に話す機会もなかったのでそのことを友達に伝えていなかった(秘密の窓)。
あるとき、友人宅に招かれ家に入ってみると数匹の猫ちゃんがウロウロしていた・・・
この状況では自分自身も不快な思いをするし、友達の方も申し訳ない気分になりますよね。
猫アレルギーのことを友達に話していたら(開放の窓)、友達は外で会うことにしていたかもしれませんし、自宅に呼ぶにしても猫ちゃんには別の部屋で待機してもらい、毛もキレイに掃除した上で招いたかもしれません。
では、苦手だと感じる人が職場にいたらどうでしょう。
苦手なAさんとは仕事では適切な距離を保って関わっているけれど、プライベートでは会いたくないと思っている。
ある日、仲の良い別の同僚Bさんに食事に誘われ行ってみるとそこにはAさんも来ていた。
この場合も、Bさんに自分の思いをさきに伝えていたら気まずい思いをせずに済んだかもしれませんね。
開放の窓でコミュニケーションを取ることが円滑な人間関係のカギ!
開放の窓の広げ方
上のジョハリの窓をご覧下さい。開放の窓が広くなっていますよね。
このようなイメージで広げるわけですが、心の窓全体の大きさは決まっているので全体のバランスを変えていきます。
開放の窓を広げる方法は「秘密の窓」と「盲点の窓」を狭めること!
1.秘密の窓を狭める
自己開示
自己開示とは自分のことを相手に話していくことです。
話すと言っても何を話せばいいのでしょうか?
その答えは「なんでも」です!
性格のこと、家族のこと、考えたこと、価値観、感情、好きなもの、嫌いなもの、過去のつらかった経験、うれしかった経験・・・などなど。
もちろん、相手の関係性を考え話す内容の深さは変わってきますね。
例えば、初対面の人にいきなり重い話をしてしまっては相手がどう対応していいか分かりませんから、相手との心理的な距離感を踏まえながら自分の方からどんどん話していきます。
このように相手とコミュニケーションを重ねることで「秘密の窓」の領域は狭まり「開放の窓」が広がっていきます。
2.盲点の窓を狭める
盲点の窓とは自分は分かっていないけど相手には知られている部分です。
自分が分からないことをどのように狭めていけばよいのでしょうか?
フィードバックをもらう
自分の知らないことを知って行くには、周りの意見や感想などを積極的に聞いていくことが必要です。
ここでのポイントは積極的にということです。
つまり、相手や周りが言ってくれるのを待つだけでなく自分の方から尋ねていくことも大切になります。
例えば、
- 自分の辛いこと、嬉しい経験、悲しい経験などを相手に自己開示する。そのあと「あなたはどう思う?」などとフィードバックを貰えるように言葉を投げかける。
- 「話し方に癖がない?」「私の良い所ってどこと思う?」などと投げかけ、フィードバックを貰う。
このように自ら積極的にフィードバックを求めることで、自分の気づかなかった部分に気づき、盲点の窓を狭めていくことができます。
未知の窓への効果
もう一度、開放の窓が広がったジョハリの窓を見てください。
未知の領域に青い部分がありますよね。
秘密と盲点の窓を狭めていき「開放の窓」を広げることでこの部分に洞察の光が差します。
これが2つ目のジョハリの窓の効果ですね。
「洞察の光が差す」とは、言い換えると「自己理解が増す」ということです。
自分を深く知っていくことに繋がるわけですね。
自己理解の大切さは皆さんも感じていることでしょう。
もちろん”知っていく”ということにも大きな意味がありますが、自己理解によって気づきを得ることは、新たな自分の可能性や成長を促すものとなります。
- 自己開示して「秘密の窓」を狭める
- 相手にフィードバックしてもらい「盲点の窓」を狭める
「開放の窓」の領域が広がってくる
未知の領域に洞察の光が差す
潜在意識に眠っていたものが顕在意識に上がってくる
未知の領域が狭まることで潜在意識が顕在化する!
潜在能力の開花
私たちの心には、顕在意識(意識)と潜在意識(無意識)の領域がある、ということは聞いたことがあるかと思います。
この比率は顕在意識が10%で潜在意識が90%とも言われます。
90%もあるわけですから多くの能力や可能性を秘めている状態なわけですね。
潜在意識が顕在化するとは、図のように潜在意識に眠っていたものが上へ上へと意識化されていくイメージですね。
潜在意識=潜在能力ですから、自分で気づいていない潜在能力が開花すると言い換えることもできるんですよ。
潜在意識 = 潜在能力
潜在意識が意識化する = 潜在能力が開花する
最後に
今回はジョハリの窓のモデルを使い、他者と良好な関係を築くことで自分自身の成長に繋がることについてお伝えしましたがいかがでしたか?
私たちの顕在意識と潜在意識と比率は1:9ですが、自己理解が増すことによって3:7ぐらいまで変化すると言われています。
ジョハリの窓だけでそこまで変化があるとは言いがたいですが、自分自身に目を向け、いろいろな角度から理解を深めていくことにより必ず変化・成長していくと言えますね。
常に開放の窓で関わることを意識し、自らの可能性を広げていって下さいね。