こんにちは。お仕事サポーターのきゃりみです。
コミュニケーションと言われると「上手に話すこと」と思いがちですが、相手と信頼関係を築いていくためには「話し上手」よりも「聞き上手」であることが重要なのはご存じでしょうか?
ご自身の身の回りの人を思い浮かべて考えてみて下さい。
話題が豊富でとても流暢に話ができる人、ジョークを面白く伝えることができる人、とても親身に話を聞いてくれる人・・・。
思い浮かべた身の回りの人の中で「一緒にいて安心できる人」を想像してみて下さい。きっとその人は「話し上手タイプ」ではなく「聞き上手タイプ」なのではないでしょうか?
ビジネス関係であっても、プライベートな関係であっても、円滑な人間関係には信頼がポイントになることはご存じの通り。
つまり、良好な人間関係を築くには「話し上手」である前に「聞き上手」になることが重要となります。
そこで今回は、聞き上手になるための基本中の基本である「聞き方の種類」についてお伝えしていきます!
- コミュニケーションについて学んだ経験が少ない人
- 誰かに「ちゃんと聞いてる?」と言われたことがある人
- これから人の話を聞く仕事に就く人
- 人の話を聞くのが苦手な人
言葉だけでは伝わらない
まず、次の簡単なやりとりについて考えてみて下さい。
親友がある日、
「ねぇねぇ、今日、お金持ってる?」と聞いてきました。
その時あなたならどのように言葉を返しますか?
「持ってるよ~」または「今日は持ってないよ」と返す
「どうしたの?何かあったの?」と返す
もちろん、Aの返答でも会話は成り立ってはいますね。
ですが親友は、単純に「お金を持っているか」「持っていないか」を聞きたかったのでしょうか?本当は何を伝えたかったのでしょう?
Bの返答は、相手に対して「どうしたの?何かあったの?」と言葉を投げかけていますね。このように言って貰えると親友も事情を話しやすくなります。
私たちのコミュニケーションのツールである”言葉”はとても便利なものですが、言葉だけで思っていることを100%伝えるのは難しいとされています。
つまり、上手に話を聞いていくためには相手の言葉(台詞)意外にも意識を向けていく必要があるということになりますね。
3つのきく
聞く
意識せずに勝手に耳に入ってくることを聞くきき方
聞くという漢字は「門」の中に「耳」が入っています。
門越しに隣の家から聞こえてくる会話を聞いているところをイメージして貰うとわかりやすいかもしれません。
庭の掃除をしながらでも隣の会話を聞き取ることができますよね。
つまり、用事をしながらでも勝手に聞こえてくることを耳で聞いている状態です。
例えば、パソコンで業務をしながら同僚が隣で話しかけていることを聞いている、洗い物をしながら子供が何か話しかけていることを聞いているなどの状態です。
訊く
自分の興味のあることをきいていくきき方
「訊く」の同意語は「尋ねる」「質問する」です。
何か知りたいことがあるとき質問したり尋ねたりしますよね。住所を尋ねる、道を尋ねる、やり方を質問する、などなど。
つまり、相手の話をきいてあげるはずが、自分の知りたい情報を得るために質問をしていくようなきき方になります。
例えば、同僚が次のように言ってきた場合はどうでしょう。
「昨日さ、仕事で失敗しちゃって落ち込んでたからカラオケ行って歌いまくっちゃったよ。」
この時の返答として、
「カラオケ行ったの?何歌ったの?」と、自分が興味のあることを尋ねるような関わり方が「訊く」になります。
同僚が話したい内容は”仕事で失敗した話”なのかもしれないのに、話の腰を折られてしまい、話題をスリ変えられてしまいますね。
聴く
5感の全てを使い相手のことを知ろうとするきき方
聴くの「聴」は、耳 十 四 心 で構成されていますね。
また「四」の部分は角度を変えると「目」 になりますので「耳と14の心と目と心できいていくきき方」と理解すると良いでしょう。
単に耳だけで相手の話を聞くのではなく、目も耳も心も、全身全霊で関心も向けていくきき方となります。
「聴く」についてもう少し詳しく解説するよ!
目で聴くとは?
目から観察できること全てを感じ取っていきます。
表情、身振り手ぶり、姿勢などが代表的なものですね。
例えば、笑顔だ、しかめ面だ、前のめりだ、脚を大きく開いている、腹式呼吸か胸式呼吸か、目が潤んでいる、汗ばんでいるなど、視覚情報として観察できます。
一見普通に話をしているように見える相手が、お腹ではなく胸で呼吸をしているのが観察できたらどうでしょう?
ひょっとしたら動揺しているのかもしれませんし不安を感じているのかもしれませんよね。
「頑張ります」と言っている一方で目に涙を浮かべていたらどうでしょう?
純粋に「頑張ろう!」と思っているのではなく「辛いけど頑張らなくてはならい」という苦しい思いが隠れているかもしれません。
耳で聴くとは?
話の内容(台詞)は耳できいていく必要がありますね。
それ以外に相手の声の調子なども聴覚情報として観察できるはずです。声のトーン、テンポ、抑揚などなど。
ゆっくり話しているときは、何か考えながらどう話そうか迷っているのかもしれませんし、テンポが速く声も高くなっていたら興奮状態かもしれないですね。
心で聴くとは?
相手が発している言葉が全てとは限りません。
「なぜそのようなことを言っているのか」「どんな気持ちで言っているのか」など、言葉の背景も心で感じ取っていくことが大切。
例えば、いつも「頑張らないと!」と言っている人は「自分は常に完璧でなくてはならない!」という思い込みのせいで言っているのかもしれませんよね。
常に完璧!を目指すのは無理なことなのに、その思い込みのせいで苦しんでいるのなら、そういった背景も汲み取って言葉を掛けていく必要があります。
最後に
今回は3つの「きく」についてお伝えしましたがいかがでしたか?
いつも「ながら聞き」(テレビを見ながら、スマホ見ながらなど)をしていませんか?
耳だけでは相手の話の半分も理解できていないかもしれません。
相手の表情やしぐさ、声の感じを観察し、心の状態も汲み取って聞いてみて下さい。
そうすれば、自然と相手が欲しい言葉を投げかけることができるようになってきます。最初はエネルギーを消費するかもしれませんが、相手に信頼される聞き方を目指しましょう!