こんにちは。お仕事サポーターのきゃりみです。
「褒められると人は成長する!」と良く耳にしますが、あなたは褒めれるのが好きな方ですか?
基本的に私たち人間は褒めれることを心のどこかで欲しており「褒め言葉」自体が心の栄養となることをご存じですか?
そこで今回は心の栄養である「褒め言葉」についてお伝えしようと思います!
- 褒めた方が良いと聞くがどう褒めて良いのか分からない
- 褒めることで誰かを成長させたいと思っている
- 相手の良い所を褒めて円滑な人間関係を築きたい
ストロークとは
ストロークという言葉をどこかで聞いたことがあるでしょうか。
スポーツ業界で”ストローク”というと、投げる、漕ぐ、打つ、という意味で使われることが多いですよね。
コミュニケーションの概念でのストロークとは、
相手の存在を認知するコミュニケーションの単位のこと
例えば「さする」「手を握る」「会釈する」「手を振る」「ウインクする」「叩く」など、良いものも悪いもの含め、相手との全ての関わりのことを指します。
相手がそこに存在していることを分かった上での全ての行動を意味するので「無視をする」という行動もストロークの1つになりますね。
ストロークの種類
ポジティブストローク
相手の存在に肯定的に働きかけ、それを受け取った人は心地よさを感じる関わりのことであり、心の成長には欠かせないもの。
ネガティブストローク
相手の存在に否定的に働きかけ、それを受け取った人は不快感を感じる関わりのこと。
ストロークの4タイプ
身体的ストローク
身体に直接触れて働きかける
心理的ストローク
言葉や態度で心理的に働きかける
無条件ストローク
存在そのものに与える無償のもの
条件付きストローク
制約があり裏の意味を持つもの
ストロークの例
肯定的 | 否定的 | |
身体的 | 撫でる さする 肩もみ | ぶつかる 蹴る たたく |
心理的 | 褒める 手を振る 握手 | けなす 舌打ち 睨む |
無条件 | 愛してる 好き 大切 | 嫌い だめな人 愚かだ |
条件付 | 優しいから愛してる 賢いから好き 仕事ができるから大切 |
几帳面だから嫌い 会話しないから苦手 失敗ばかりだから愚かだ |
無条件のストロークは相手の存在そのものに働きかけるのに対し、条件付きストロークは「勉強するから」「お金を稼いだから」「足が速いから」「誘ってくれたから」といったような相手の行為や性格などの条件がつきます。
肯定的ストロークの中でも”無条件”のものが1番。特に子供の頃は無条件のストロークが大切とされているわね。
肯定的で条件付きのストロークは、やる気を出したり、もっと上を目指そうと頑張るためには必要なストロークですが「褒められるために頑張る」「〇〇ができるから自分はOK(できなければOKではない)」など、歪んだ成長を促す可能性があります。
褒める相手との関係性を踏まえ、条件付きストロークだけに偏らないようにしましょう。
ストーロークの概念を提唱したアメリカの精神科医エリック・バーンは、「人が生きるのはストロークを貰うためである」としており、人は本来肯定的ストロークを求めますが、”ストローク自体が不足すると否定的ストロークでさえも貰おう”とするとされています。
否定的ストロークの有名な実験があります。
数匹のねずみを2つのグループに分け、何の刺激も無いただの箱の中に閉じ込めます。1つのグループには1日数回電流を流し、否定的ストロークを与え続けます。もう1つのグループには何の刺激も一切与えません。
この実験結果では、否定的ストロークである電流を与え続けたAグループのねずみの方が、何の刺激も与えなかったBグループのねずみよりも発育が良かったのです。
私たち人間も、全く何の刺激が無い状態では健康な心を保つことが困難であり、ストロークが貰えないなら否定的なものでも良いから何か刺激をちょうだい!とい状態になるのです。
ビジネスシーンの褒め言葉
ストロークについて説明しましたが「褒め言葉」は全て「肯定的ストローク」になりますね。
肯定的ストロークである褒め言葉は、親子関係、恋愛関係、夫婦関係、友達関係など、あらゆる関係性において必要なものですが、ビジネスシーンにも大切なことです。
肯定的なもののうち「無条件ストローク」と「条件付きストローク」とでは、もちろん無条件のものが好ましいですが、仕事は力を合わせて成果を上げていく!という目標があるため、条件が付いているものでもプラスに働きやすいです。
どんどん投げかけていきましょう!
とはいえ、何でもかんでも褒めればいいのかと言うとそうでもありません。
やはり適切に相手を褒めるということがポイントになりますね。
やたら大げさに褒められて、なんだか馬鹿にされているみたい・・・と感じることがありませんか?
褒めれると心地よくなるというのが大前提ですから、不信感を抱かしたり不快に感じさせては意味がありあせん。
おおげさに褒める・おだてる
〇〇はできないのに〇〇はスゴイわね
「すご~い、ほんとにすご~い!すごいわ~!!」と褒められて、その評価に値すると感じる場合は素直に喜ぶこともできるかもしれませんが、褒められた本人が「大したことではない」「普通のことだ」「別にいつものことだ」と思っていることを褒めてしまうとマイナス効果になるので注意が必要ですね。
心からそう感じて褒めたのならどの辺りがそんなにすごいと思ったのかを付け加えることもできますが、褒めなくちゃ!という意識からのものであれば、褒められた相手は不快に感じるでしょう。
また「仕事は遅いけど正確よね」「ミスが多いけど行動は早いよね」などのような、否定的ストロークが入った褒め言葉はNGです。
褒められた相手は嫌みに感じたり、遠回しにダメ出しをされていると感じるでしょう。
「ありがとう」などの感謝を述べる
行動・成果・性格
無条件の肯定的ストローク
「教えてくれてありがとう」「手伝ってくれて感謝してるわ」「いつもありがとう」などのような感謝の言葉は嬉しいものですね。円滑な人間関係には欠かせません。
「頼りになるわ」「信頼できるわ」「安心できるわ」「あなたなら任せることができるわ」のような、相手の存在そのものに投げかける褒め言葉は無条件の肯定的ストロークです。
このような褒め言葉を投げかかられた相手は、とても心地良さを感じ、褒めてくれた相手に対しても好感を持つでしょう。
「仕事こなすのが早いね」「プレゼンがうまいね」「頭の回転が速いね」「責任感があるから信頼できるわ」「優しいから安心できるわ」のような褒め言葉は、条件付き肯定的ストロークになりますが、条件が付いていても「よし!もっと頑張ろう!」とモチベーションにつながります。
褒め言葉(肯定的ストローク)は、貰い慣れているものとそうでないものがあります。例えば「優しいね」とよく褒められている人に「優しいね」と褒めても、貰った相手にとっては「普通のこと」「当たり前のこと」になっている可能性があります。
効果的な褒め言葉は、相手が貰い慣れていないものを投げかけること。
そのためには多角的な視点を持ち、他の人が気づかない部分に気づけるようにしなければなりません。
好意の返報性
好意の返報性という言葉を聞いたことがありますか?3000円ぐらいのプレゼントを貰ったら同じぐらいの金額のものをお返ししようと思う心理が働く、という例を聞いたことがあるかもしれませんね。
この好意の返報性は、相手を褒めることでも効果が期待されます。
相手に好意を示されると自分も好意を返そうという心理が働くこと。
この法則から考えると、相手を褒めてあげるとその相手は自分に好意や安心感、信頼感を抱くということになるので、より良い関係性になると考えられます。
褒めて見返りを期待するのではなく、相手と信頼関係を築くためと考えると良いですね。
最後に
今回は、”ストローク”という概念に沿って褒め言葉について考えてみましたがいかがでしたか?
肯定的なストロークは私たち人間にとって欠かせないものです。
あなたは現在、ストローク欠乏症に陥っていませんか?
相手を褒めてあげることもとても大切ですが、自分で自分を褒めてあげることも効果的です。
頑張ったときや何かを成し遂げたときだけでなく「今日は予定通りに1日を過ごせた」「近所の人とすれ違ったときに笑顔で挨拶できた」など、日々の小さな出来事でも自分を褒めてあげ、心に栄養を与えていきましょう!