こんにちは。お仕事サポーターのきゃりみです。
あなたは「いつでも」「誰に対しても」「相手に不快な思いをさせずに」何かを伝えることができていますか?
でも家族や親しい人にはハッキリ言ってやるわよ!
気心の知れた間であれば自分の思っていること率直に伝えることができても、相手が先輩や上司、それほど親しい相手じゃない場合は正直な気持ちや意見を言えないこともありますよね。
たとえ自分の思いを率直に伝えたとしても、強い口調で言ってしまっては、相手との関係性がギクシャクしてしまうかもしれません。
そこで今回は「いつでも」「誰に対しても」「相手に不快な思いをさせずに」何かを伝えることができる自己表現法についてお伝えします!
- 相手によって自分の意見を言えるときと言えないときがある
 - 言いにくい相手にも上手に意見を言えるようになりたい
 - コミュニケーションスキルを高めたい
 
アサーションとは?
アサーションとは相手も自分も大切にする自己表現方法のこと。
自分の意見ばかりを尊重するのではなく、相手の考え方や価値観、感じ方も尊重しながらコミュニケーションを取っていくことです。
アサーションは自己主張法と訳されることもあり「自分の意見を主張すること」と勘違いされることもありますがこれは間違いです。
「自分には主張する権利がある」と同時に「相手にも主張する権利がある」という考え方がベースにあります。
アサーションチェック
まずは、日頃からアサーティブな関わりができているかをチェックしてみましょう。
以下の20問について「はい」「いいえ」で答えてくださいね!
| アサーションチェックリスト | |
| ① | 誰かに良い印象を持ったときにその気持ちを素直に伝えることができる | 
| ② | 自分の長所や過去の成果・実績などを抵抗なく人に言うことができる | 
| ③ | 意見や考え方が異なる場合、それを相手に伝えることができる | 
| ④ | よく知らない人達の会話の輪の中に気軽に入っていくことができる | 
| ⑤ | 盛り上がっている会話の中にいても、その場を立ち去ることができる | 
| ⑥ | 自分が知らないことや分からない話題が出たときに尋ねることができる | 
| ⑦ | 自分が間違っているときにそれを素直に認めることができる | 
| ⑧ | 相手が間違った行為をしたときに攻撃的にならずに伝えることができる | 
| ⑨ | 怒りや不安を感じているとき、ありのままの自分を受け入れることができる | 
| ⑩ | 何かに困っているとき、誰かに援助や助言を求めることができる | 
| ⑪ | 飲み会やイベントのお誘いに行きたくなければ断ることができる | 
| ⑫ | 無理な要求をされたときに、適切に断ることができる | 
| ⑬ | セールスや強引な営業に対して、長引かずに断ることができる | 
| ⑭ | 人から誉められたときに素直に受け入れることができる | 
| ⑮ | 相手に否定・批判されたとき、反抗的にならずに対応できる | 
| ⑯ | 長電話や長話のときに、自分から切り上げることができる | 
| ⑰ | 話に割り込んできた人がいた場合、相手にそのことを言える | 
| ⑱ | 誰かに援助を求められたときに、困難であれば断ることができる | 
| ⑲ | 注文した物と違う物が届いた際に交渉することができる | 
| ⑳ | 相手の好意が迷惑なとき、感情的にならずに相手に伝えることができる | 
いかがですか?10個以上当てはまった方も多いかもしれませんね。
誰でも「苦手な相手」や「苦手なシチュエーション」があると思いますが、苦手な時こそ上手に対処していきたいものですね☆
まずは「アサーション」を理解するために、3つのコミュニケーションタイプについて見ていきましょう。
3つのコミュニケーションタイプ
アグレッシブタイプ(攻撃的)
自分のことだけを重要と考え、相手のことを大切にしない関わり方
I am OK. You are not OK.
自己肯定・他者否定型
ノン・アサーティブタイプ(非主張的)
自分よりも相手を優先し、自分のことを後回しにする関わり方
I am not OK. You are OK.
自己否定・他者肯定型
アサーティブタイプ
自分の気持ちや考えを相手に伝え、同時に相手のことも配慮する関わり方
I am OK. You are OK.
自己肯定・他者肯定型
具体例
就業時間終了の5分前。
今日は彼女のご両親と初めて会う日!!
指定されたレストランに時間通りに到着するにはそろそろ会社を出ないといけない。急いで出かける準備をしていると・・・
と、上司に呼び止められました・・・
後になってから上司になんて言い方をしたのだろうと後悔したり、上司との関係もギクシャク・・・
自分の意思を伝えれなかったことを悔やみ、劣等感を感じながらも言われたとおりに残業をする。その後もまた何か頼まれると断れないので顔を合わさないように避けてしまったり・・・
予定が終わり次第会社に戻るか、明日の朝でもよろしければ早朝出勤して対応させて頂きたいのですがいかがでしょうか?
代替案も付け加えて上司の意見を確認しようとする。
どのコミュニケーションが望ましいのかはもうお分かりですね。
アサーティブさんは、自分も相手も尊重(I am OK. You are OK.)の関わりをしており、自分の思いや感情だけを相手に伝えるのではなく、上司の立場や考えも尊重しようという姿勢が見られますよね。
この後の展開がどうなるにしても、アサーティブさんであればお互い折り合いがつくところまで冷静に話し合えるでしょう。
相手の価値観や考え・意見を尊重しながら、自分の意見や思いを落ち着いて伝えることが望ましいコミュニケーション!
アサーショントレーニング法
それでは、アサーション力を高めるための手順をお伝えしますね。
頭の中だけでイメージするだけではなく実際に文字にしながら理解していくのがコツ。十分に理解できたら実践へと移りましょう☆
アグレッシブ・ノンアサーティブ・アサーティブを書く
- あるシーンを想定して「アグレッシブ」「ノンアサーティブ」の2つの伝え方を台詞にして書き出す。
 - 「アグレッシブ」「ノンアサーティブ」を融合させて「アサーティブ」な伝え方を書き出す。
 
「アグレッシブ」+「ノンアサーティブ」=「アサーティブ」
I am OK. You are OK.であるか検討
- このように伝えられると相手は不快な気持ちにならないか?この伝え方で自分の思いを伝えることができているか?
 - 必要なら「アサーティブ」の台詞を修正。
 
実際の現場でアサーティブを実践してみる
- 日常生活でアサーティブな表現を意識してみる。
 
- 落ち着いた穏やかな口調で言う
 - 相手の意見も確認する
 - 感情的になったら一呼吸置く
 
うまくいかなかったら振り返って書き出す
- アサーションで伝えたシーンを思い出し、相手の状況や自分の立場を考える
 - 再度「アサーション」の台詞を書き出して検討
 
伝え方が分からない、やってみたけどうまくいかない、という人は「アイメッセージ」を使うと良いかもしれません。アイメッセージについての記事を参考にしてみて下さいね!
さて、この記事を読まれている方の中には、「いやいや、正しいコミュニケーションの仕方は分かっているよ、分かっているけどできないから困るんだよ!」と思っている人もいるでしょう。
そうなんです、頭で分かっていてもできないことがあるから困るんですよね・・・
そのように感じる場合、ひょっとしたら 非合理的な思い込み があるかもしれません。
アサーティブになれない非合理的な思い込み
非合理的な思い込みとは
過去の経験の中で知らず知らずのうちに身に付けた、信念・価値観のようなもの。ある状況になるとその奥底にある”思い込み”が自分自身に指示を与え、行動の妨げになることがある。
- どうせ言っても分かってもらえない
 - わかってこんなこと言うと嫌われるかもしれない
 - こんなこと言うと相手が気を悪くしてしまうのではないか
 - 相手の要求をきかないと嫌われてしまう
 - 好きな相手とは常に意見が同じでなければならない
 - 人からは誰からも好かれなければならない
 - どんな理由であっても人を傷つけてはならない
 - 自分の意見を強く主張しないと相手にいいようにされてしまう
 - 話さなくても分かってくれるべきだ
 - 相手が失敗したりしたとき怒りを覚えるのは当然だ
 - やるからには完璧にやらねばならない
 - 自分のすることは誰にも認められなければならない
 - 人が間違いをおかしたら非難すべきだ
 - 失敗することは恥である
 
上記にあげたものは非合理的な思い込みの一部であり、私たちは経験によって様々なことを学習しますので、人それぞれ何らかの思い込みがあって当然ですよね。
例:父親が厳格でいつも頭ごなしに叱ってきた。
年の離れた厳格な男性=意見を言うとそれ以上に叱られる
年の離れた厳格な男性=意見を言っても聞き耳を持たない
などの非合理的な思い込みを持ってしまった可能性。
これは単なる例なので、過去に同じ経験があるからといって同じ思い込みを持つわけではありません。
経験から身につけた信念・価値観は、その当時には必要な”学び”であり、自分自身がその環境で上手に適応していくために必要だからこそ身につけたもの。
そのため「非合理的」なものばかりではなく「合理的」なものもたくさんあるのですが、大人になった世界で、過去の”学び”がうまく通用しないものが「非合理的な思い込み」となるわけですね。
コミュニケーション力を高めていくうえで、どうしても改善できない「壁」がある場合は、この非合理的な思い込みに焦点を当てると良いかもしれませんね。
最後に
コミュニケーションはスキルの1つです。
つまり、正しい方法を学び、実践することでどんどん伸ばすことができる能力。
スポーツや料理と同じで、失敗しても理由を探り、何度も練習を重ねると上達していくわけですね。
これまで何年も、何十年も続けていたコミュニケーションの取り方を変えるとなると多少時間はかかるかもしれませんが、実践を繰り返せば必ずコミュニケーション上手になって頂けるでしょう!
